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#1462/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (XGM38132) 94/ 2/16 10:59 ( 86) 考察>TVめぞん53〜56話を見て2「その構造について」by阿修羅 ★内容 キャラにははまらないって言いましたが、僕としては響子さんよりも八神のような性 格の女の子の方が好みなんだよなぁ。従ってついついひいきしてしまう。自分が結構は っきりした方なので、しっとりした人ってなどうも…。いかんなぁ。(笑) この53〜56話は、八神が出て来て五代と響子の間に割り込む、っていう、いわば 典型的なラブコメの筈なんですよね。状況としては、響子−五代−こずえ、の関係と単 純に言えば同じだ。「あーあー、五代君大変だ。」って笑ってもいいはずの所なんです よね。 でも、この一連の話を見た後は、なぜか切ない感覚が残る。 多分、理由はこうだと思う。 五代は、響子が好きである気持ちが一番強いんだけれど、こずえの事も、まんざらで はなかった。だから、響子−五代−こずえの関係を見ていても、ラブコメらしさは感じ ても、切ないって感覚はなかった。ところが、響子−五代−八神の関係では、五代は八 神に対してはほとんど恋愛感情持ってない。それどころか逆に厄介に思ってる。八神の 健気さが哀れをそそるんだなー。……これは…、八神中心に見とるんだな、僕は。(^_^ ;) 同じ事はこの頃からの三鷹にも言える。56話の三鷹さん、アニメの演出除いて心情 的に考えても、寂しい感じがします。三鷹は女心を掴むのは得意なはずですから、響子 の気持ちが判らない訳無いですから。五代−響子−三鷹の関係のバランスが崩れてきた んですね。クライマックスへのプレリュードって訳だ。 今三鷹は女心を掴むのが上手いと言いましたが、惣一朗に関しては全然〈気付いてな い・解ってない〉みたいです。五代との決定的な違いです。 しかしなんです、五代君ってモテますね。冴えないように描かれてますが、ちゃんと モテてる。高橋さんの作品にはそういうの多いですね。男は心って人なんですね、高橋 さんは。まあ、原作では外側もいいと設定してありますが。(TVもそうでしょうね。 ) 念のため言っておくと、原作では五代がたった一度だけ自分は顔はいいと言います。 作中そのたったのひとコマですが。どこだったかは忘れましたが、絶対あります。 五代をめぐる女たち、と響子をめぐる男たち。五代と響子の恋の物語、ではなく、五 代と響子を中心とした若者たちの恋の物語、として見ると、話の中心を二つに分けられ ますね。ここへ来てそれが更に強くなった。TV、原作ともに言えることです。 ←−−−三鷹 ↑ | | | こずえ−−五代===響子 : | : ↓ 八神−−−→ ※明日菜は省きました。論点と関係がありませんから。 バランスが悪い。 このこずえの立場はなんだろう? 五代が惹かれたもうひとりの女性。 対をなすものがあるだろうか? と考えたら、惣一朗です。かつて響子が愛した男性 。図に表わせばこうなります。 ←−−−三鷹 ↑ | | | こずえ−−五代===響子≠≠惣一朗 : | : ↓ 八神−−−→ これでバランスが良くなりました。 顔が全く出てこない(「過去の事である」ということを表わしている。つまり惣一朗 という人間の実際は(読者と五代にとって)不明なのだ。)事と、馬の骨と結婚したと 言う点で、こずえと惣一朗には共通点があります。結果そのものに明確さが無いんです 。 もう一つは、これは僕自身驚いたんですが、響子にとってのこずえ、と、五代にとっ ての惣一朗、は、完全に一致する点です。つまり、それぞれ自分の好きな人が、心のど こかで慕っている自分とは別の人だ、ということです。 こずえは登場人物のグループ分けからはずれる、と、どこかの誰かの意見で読んだ気 がしますが、これに気付いたとき、僕は背中に寒気がしました。あんまりの構造の完璧 さにです。浮いてなんかいません。こずえは完全に人物構造の中にいます。 上図で、三鷹と八神には両者にそれ自身で、それぞれ響子と五代を諦めた(恋に破れ た)という点と、その性格に共通点があります。しかし、こずえと惣一朗には共通点は ありません。構造から見て、初めて対になっているんです。 これが原作者が意図したのかどうかは判りません。意図したなら当然作者を賞賛しま す。が、意図せずにこの構造を作り上げたのだとしたら、いい悪いはさておいて、すご い事だと思いました。 この構造の意味するところはまだ解りません。でも、この図式が成り立つことは確か です。 94/2/16 by 阿修羅