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#9059/9059 コミュニケーションボード コメント数(0) ★タイトル (YSC07892) 00/ 5/ 2 16:42 ( 60) 観劇>新感線公演 カモチャン ★内容 新感線公演「犬夜叉」 日時 2000年5月1日(月)19:00〜 会場 東京・東京グローブ座 今まで新感線の演目では、つかこうへい時代は除いてパロディー はありましたが、原作モノを上演するのは初めてではないでしょう か。そのせいでしょうか、面白いのですが、新感線らしからぬ割と 大人しい型にはまった作品になっていました。原作があるために、 どうしても作品の枠があるから、奇をてらったものをやるとかえっ て失敗するのでしょう。今回劇団のメンバーは妖怪連中の5人だけ にとどまり、これは正解だと思いました。個性の強い新感線の役者 陣では原作の枠からどうしてもはみ出てしまうために、あえてクセ の無い客演陣を前面に出したようでした。 この「犬夜叉」という作品は、少年サンデー誌に連載中の高橋留 美子さん作の長編マンガで、犬妖怪と人間のハーフである犬夜叉と 現代からこの作品の主な舞台である戦国時代にタイムスリップした かごめという少女が繰り広げられるお話です。 芝居が始まって犬夜叉の初登場のシーン。サッと大股にジャンプ しての登場は、「あっ、犬夜叉」だと思わせるぐらいに動きがはま っていました。他にも仕種や、バカというか単純というか言動も原 作のイメージを大切にした演出をしていました。しかし主役はこの 犬夜叉なんですが、実際に芝居を引っ張っていたのは、弥勒という 好色坊主役をやっていた京晋祐さんでした。これは役者としての力 量の違いなんでしょう。ジェスチャーゲームのシーンでそれが一番 現れていました。このシーンはどうも台本に台詞がないようで、即 興で台詞を紡ぎ出すのですが、京さんが主に喋って舞台の主導権を 握って、犬夜叉役の佐藤アツヒロさんはなんとか京さんについて行 こうと頑張っている感じ。かごめ役の馬渕さんにいたっては、まっ たく喋れていませんでした。彼女は与えられた役は出来るが、自分 で舞台を支配できる力量はまだ全く無いようで、彼女の今後の課題 でしょう。 舞台演出で今回驚いたのは、妖怪が繰り出す技で雷撃があるので すが、この時の舞台から上がるフラッシュが凄かったです。私は5 列目に座っていたのですが、それでもこのフラッシュの熱を感じた ぐらいです。おそらくマグネシウムを使ったと思うのですが、役者 は自分の目の前でそれが出てくるのですから、最初のうちは慣れな くてさぞビックリしたことでしょう。 話しはかわりまして、カタログには座付き作家の中島かずきさん と高橋留美子さんの対談が掲載されていました。その中で「野獣郎、 見参」が一番印象に残っていると高橋さんは仰っていて、私もそう 思っています。今回も終わり方は「野獣郎」と似ていますが、全然 後に残るパワーが違います。今回は「面白い」ならば、「野獣郎」 は「無茶苦茶面白い」です。そして対談の締めくくりに高橋さんは、 古田新太さんの殺生丸を見てみたいと中島さんにお願いして、なる ほどと思いました。たしかに古田さんはボテボテ腹で体のラインが すっかり崩れていますが、これさえ隠すことができたら、顔立ちは 杉良太郎みたいな冷ややかな2枚目ですから、殺生丸にイメージが 合っています。 次回は歌舞伎を上演する劇場で、いのうえ歌舞伎をやるのか。し かも渡辺いっけいさんが久々に新感線の舞台に立つ。なかなか楽し みです。 P.S DRSさん、開演ベルはやはり新大阪? カモチャン