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#1336/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (CHM88424) 94/ 1/14 1:11 ( 59) BD大会>BDのテーマ NIFTYより ★内容 【NIFTY-Serveより転載15】 >- FANPLN MES( 4):るーみっくわーるど(8)高橋留美子の部屋 - >00176/00178 GGB03473 SYO BD大会>BDのテーマ >( 4) 94/01/13 02:43 えー、BDについてなかなかうまく書けないのですが、みなさんの意見を読んでいて 少し考えがまとまりかけてきました。他の方の意見で触発されたものがありますが、コ メントをどこにしようかわからないのでこういう形にします。 BDのテーマ、僕は「愛」だと思います。あるいは「あたるとラムの関係」でも良い です。これはにゃにゃ丸さんの「テーマは夢(虚構)と現実の違い」を読んでいて思っ たのですが、夢と現実、あるいは時間と空間というのはこの映画の大きな柱ではありま すが、それがテーマではないと僕は感じています。 当時、僕には疑問が2つありました。ひとつは「なぜあたる達は進級しないのか」、 もうひとつは「なぜあたるはラムに振られないのか?そもそもあたるはラムをどう思っ ているのか?」というものでした。進級については元がギャグマンガだから、と思って いたのでそうでもなかったのですが、2番目の疑問についてはずっと引っ掛かっていま した。後で知ったのですが押井監督もずっとこれを悩んでいて、それがメガネのセリフ となっているとの事です。そして、僕はこの映画の「好きな人を好きでいるために..」 のセリフで「ああ、そうだったのか」と思いました。 「好きな人を好きでいるために自由でいたい」というのは(あたるの)勝手な言い分 かも知れません。あるいは押井監督の解釈だけかも知れません。でも僕はこれがあたる の本心だと思いました。しかしこれは男の側の「逃げ」なんですね。最後の責任をとり たくないという。ただラムもこれは認めていたというか望んでいたと考えられます。例 の「今のままでみんなと暮らしていくのが夢」という部分ですね。モラトリアムという 言葉は好きでないんですが、そういう猶予期間というか、一番楽しい時間をずっと過ご したいというのは誰でも持っていると思います。しかしあたるは本能のままにそこを出 たいと言いました。「ラム抜きのハーレムなど無意味だ」「ラムにもきっちり惚れとる 」とは言ったものの、依然として態度は保留のままで。これに対するラムの答えが「責 任とってね」なのだと思います。「名前を呼べない人は帰りたくない」というのが「一 番良い時のままで、そこから先は責任を取りたくない(まだ誰も選びたくない)」とい うのであれば、「一番好きな人を決めたら責任をとる」となるのでしょう。 Kimさんが「きっちり惚れとる」というのに抵抗があると書かれましたが、僕も言 い切って良いのかなとか思いました。原作者が怒ったのも、そのあたりにあるのかと思 います。しかし乱暴な言い方になりますが、このセリフ、そして「好きな人を....」か ら「責任とってね」のセリフの為にこの映画はあるのだと思います。押井監督が夢と現 実というテーマをやりたいために「うる星」を使ったのではなく、「うる星の世界」を そして「あたるとラムの関係」をはっきりさせるために、夢邪鬼と夢の世界が必要だっ たのだと。夢のような楽しい時間から出て、愛する人を直視する、というのにこれ以上 ぴったりな設定があるでしょうか?しかもそれはKimさんの言葉を借りますが、 >>それまでのうる星の世界とは程度の差こそあれ、本質的に差はない世界 だったのですから。 以上の事で僕はこの映画はまぎれもない「うる星」の映画であり、そのテーマは真正 面から「あたるとラムの愛」について問い直したものと考えます。それは、やってはい けない事だったかもしれません。仕草や言葉のはしばしからあたるの想いを感じ取り、 長い平行線がいつかは交わると見守っていくのが正しかったのかもしれません。でも僕 は「うる星」について大真面目に取り組んだ、この映画が大好きです(^^)。 わかりにくい文章ですが、誤解、曲解、意味不明があったら言ってください。 なお、あくまで作品から受けるイメージを優先して書きました。 SYO (GGB03473)