SIG るーみっくわーるど SIG るーみっくわーるど」は、漫画家 高橋留美子先生(るーみっくわーるど)の作品が好きな仲間が集まっているグループです。 るーみっく好きなメンバー間コミュニケーションのためのチャットや掲示板の提供、るーみっく系イラスト・小説・リンク集の公開などを行っています。 オフ会も不定期に開催されています。1992年6月にPC-VAN上で誕生した歴史あるグループです。
ホーム | About | 新着・お知らせ | フォーラム | ライブラリ | チャット公開ログ | メンバー紹介 | リンク | Copyright
投稿日時:1994/ 6/11 10: 4 投稿者ID:QEG72756
#1711/3141 るーみっく☆わーるど
★タイトル (QEG72756)  94/ 6/11  10: 4  ( 95)
考察>RE#1703 Big Nameの悲劇。   飛鳥 杏華
★内容

☆マッシャ・アッキーニさん

 まあ、私とマッシャ・アッキーニさんの違いは、単に駆け出しの新人と売れっ子
の違いのような気もしますが…。(^_^;) 私の場合、そういうことすら言ってもら
えない身分なんで、反応に飢えているんですね。(笑) 実際、先日描いた作品に
まともに感想をくれたのはマッシャ・アッキーニさんだけです。(^_^;)

 しかし、確かに自分の創作の行く手を狭められるようなものが返ってきたらつら
いですね。私も、この読者の側の先入観や固定観念というものが、作者に対する批
判や落胆となって返ることで作者を縛り、自由な創作活動が阻害される危険性につ
いて考えてみたことがあります。

 これは、けもさんの過去の作品、特に2大連載に対して読者の側に生まれた先入
観や固定観念が、「らんま」を自由に展開させて行くにあたっての障害となったの
ではないかという考察をした際のことですが…。

 読者にとっては、作品、あるいはその作者に対して、強く感じた部分が記憶とし
て残ります。それが積み重なることによって、その作品や作者と記憶との結びつけ
が行われて行き、固定化されて行ってしまうんでしょうね。作者の名を聞けば、だ
いたいどんな絵柄で、どういうジャンルで、どんなパターンのギャグをやる人だと
かいうことが、自分なりに浮かんでくるという具合いに…。

 読者が強く感じ、記憶に残して行くものっていうのは、たいていの場合は自分が
いいと感じた部分、その読者が求めているものと合致し、その欲求を満たしてくれ
た部分なのだろうと思います。

 絵のうまさを感じることで満足感を得たいと思っている人には、絵のうまさが残
るでしょうし、ストーリーの妙を楽しみたいと思っている人には、ストーリーが印
象に残るでしょう。ギャグで笑いたいと思っている人なら、笑えたギャグが、作品
に込めた意味を探りたいと思っている人には意味深な部分が強く残ると思います。

 そして、それが固定化されれば、条件反射のようにそこへ目が行ってしまう。結
局、読者にも欲求がある以上、自分に心地よい読み方をしようとするから、過去に
感じた満足感を再び得て安心したいから、釘をさすような言い方も出てくるんでし
ょうね。自分自身の欲求充足手段を確保したいがために…。

 何のために読むかって言えば、それはやっぱり自分のためであって、作者のため
に読んでるわけじゃないんですよね。作者の立場も経験している自分としては、何
とも複雑ではありますが…。

 同人誌は、商業誌ではできないことをやれる場所。確かに、描く側にとってはそ
うなんですが、果して読む側がそれを意識しているのかどうか? 最近では同人誌
自体の傾向も変わってきたし、それにつれて読む側の意識も変わってきて、商業誌
を読むときとあまり変わらなくなってきているんじゃないかとさえ思えます。

 そして、いわゆるBNF(Big Name Fan)という現象。有名同人は、
読者の側からすればプロと変わらない存在なんですよね。だから、プロに求めるの
と同じような欲求充足を求めてしまう。

 その一方で、プロじゃ言っても届かないかもしれないけど、知り合いだから言え
ば届くという気持ちもある。まあ、言ってしまえば読者って基本的に身勝手なんで
すよね。(自分もだけど。(^_^;))

 altjinさんの言うように、読ませるために餌をまくのも手ですが、読者が
最初からその作者に対して自分の欲しいものしか求めないような読み方をしている
かぎり、なかなか蜘蛛の糸にはかかってくれないんですよ。(^_^;)

 読む気がないなら、読めないのなら、そこに毒を盛ってみるのもまた一興なんて、
人の悪いことを私だったら考えてしまいますね。(^_^;) 相手がそれに気づかない
のなら害にはなりませんし、悪ふざけ程度なら…。

 どっちにしても、他人に対して大した価値観を植え付けてない私のような者は、
何をやっても大して問題にされませんけど、固定された価値観を確立されてしまっ
たマッシャ・アッキーニさんの場合は、それにストップをかけられてしまう。これ
は、Big Nameであるがゆえの悲劇と言えるでしょう。

 結局、そこで道を選ぶのは自分自身なんですよね。「やめた」と言って放り出す
のも手だし、それでも自分を押し通すのも手です。あるいは、さらに過激に自分に
対する既成の価値観を破壊しにかかるか、表面上は過去のイメージを継承している
ように見せかけて、背後で反逆してみせるか…。

 プロじゃ、読者を楽しませるっていうのも大事な使命ですから、思い切ったこと
はできないでしょう。でも、同人なんだから、同人誌なんだからという開き直りも
必要かもしれません。それまでのペンネーム(マッシャ・アッキーニさんの場合は
本名ですが)を捨ててしまうのも1つの手ですね。(あまり有効ではないかもしれ
ませんが…。)

 まあ、いろいろ言ったところで、結局これは私の考えでしかないから、マッシャ
・アッキーニさんの役に立つとは思いませんが、私だったら、ファンとか言われて
も自分はプロじゃないんだから、自分を表現するために描いてるんだからと押し通
してしまうでしょうね。

 実際、描くからにはいつも(死にかけるほど)全力投球しているし、このネタが
描きたいから描いてるんだって気持ちでやってますから、もしそれにストップがか
かるんだったら、依頼を断わってしまうでしょう。

 それは、決してつけあがってるんじゃなくて、描きたくもないものを適当にやっ
てお茶をにごすような不誠実なマネはできないっていう気持ちからです。プロなら
そこをうまくやらなければならないでしょうが、たかだか同人ですから…。(こう
いうときだけ、「たかだか」なんて都合のいいこと言って、読者の側と同じくらい
身勝手ですけどね。(笑))


                    QEG72756   飛鳥 杏華
前の投稿:#1710 k雑感>RE#1702 もうあなただけなの… 古屋一雄
この投稿:#1711 考察>RE#1703 Big Nameの悲劇。   飛鳥 杏華
次の投稿:#1714 感想>今週のらんま     カモチャン

フォーラム過去ログ一覧へ戻る

Copyright © 1993-2005. SIG るーみっくわーるど
このページにある投稿文章は、各投稿者に著作権があります。
このサイトで公開されている全ての文章・画像などを許可なく転載することを禁じます。