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#1805/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (XGM38132) 94/ 7/19 23:35 ( 66) 感想>うる星>これが有名な『最後のデート』ですか… 阿修羅 ★内容 鳥肌たってしまいました。この話を2度目に読む時、望ちゃんをラムに置き換え てみたんです。そしたら、恐ろしいことといったら…。 でも、有り得るんですよね。うる星の世界なら特に。ラムは地球人よりもはるか に能力が高いんだし。もしラムが、どうしても地球にいられなくなったとして、あ たるに止める術は無い訳です。つまり、あたるの心理には常に、ラムはいつかいな くなってしまうのではないかという心配が、張りつめているのでは、と思うんです。 あたるはこの話までに、ラムが本当にいなくなってしまう、またはそれに等しい 状況になる、と思った時、涙まで流してますね。普段とは別人です。これはイコー ル、平生のあたるはラム喪失の恐怖へのカムフラージュだ、と、考えられます。反 作用、とも言えますか。 うる星世界では、時間が流れていない訳ですが、心理に視点を置くと、ラムとあ たるの関係では(他のキャラは調べてないだけですが)、しっかり推移が見られま す。大変ゆっくりではありますが。 初めは本気で邪魔だったラムが、そのうち平気になり、次第に当り前となり、そ して空気の様な存在となる。そういえばいつの間にかラムはあたるの部屋で寝てま すね。押し入れじゃドラエモンですが(まぁ、みょーな機械持ち出すってとこでは 同じかも)。 当り前に、空気と同様になった事に気付いた時から、失う恐怖(心理的な圧迫感、 の事を言いたいんですが、言葉が見つからない…(;))と戦わなければならなくなる。 いつからでしょう。憶えてる限りでは(まだ手元にはワイドの11巻しか無いのだ (;))、『愛は国境を越えて』ではっきり認識したのでは、と思っているのですが。 この事(あたるのラム喪失への恐怖)、恐らくラムは認識していない。彼女には それを認識しようが無いんですよ。彼女から見れば、あたるを無くす心配なんて無 いですよね。その気になればいつでも捕まえられる。それでは、あたるのこの恐怖 感に、気付けはしないでしょう。 こうして見ると、非常に孤独ですね。彼は。相手が自分を好きでいればいるほど、 その孤独感は強くなる。表層に於てまでラムへの想いを認めてしまったら、お互い、 何処にも気持ちの上での障害は無いんですから、それこそべったり惚れちまう訳で す。そうなってから別れなくてはならなくなったら…。あたるは優しいですから、 その時のラムの事を思えば、無意識に突き放していたのかも知れません。ラムに会 うまでは、しのぶとつき合ってて、そんなに浮気性も酷くなかったみたいだし。 そういえば、確か、あたるはラムに対しては初めて会った時から、他の女の子に 対するのとは違った態度でした。居る世界の違いがもたらすものを、本能的に嗅ぎ 分けていたのかも知れませんね。立場が、あたるとラムで逆なら、多分問題はない んですけどね。 彼は、究極のフェミニストだったのかも知れませんね。男は相手を守れるだけ、 強くなければいけない。もしそれが出来ないなら、たとえ相手が自分を慕っていよ うとも、資格はない。ラムに、自分に彼女を守る力の無い事や、いなくなってしま う心配を口にしないことから、それは相手に気付かれないうちに実行しなければ意 味が無い、と考えているのでしょう。 この『最後のデート』で、あたるが望みちゃんにラムを重ねたかどうかは分かり ません。でも、この頃のあたるの目の前で、ラムが急に、微笑みながら、うっすら 涙を浮かべながら、「楽しかったっちゃ……大好きだっちゃ……」とでも言いなが ら異空間へ消えて行ったら、その時のあたるの心理を考えると、少なくとも、たっ た今まで自分の側にいた、「存在」が消えてしまうことの怖さを、少しは感じたの ではと思います。現実の脆さ、をね…。 94/7/19 by 阿修羅 P.S. ふふ、まぁたひどく僕自身の世界を作品に投影してますが、それも物語を楽しむ 方法の一つ。この際だから存分にやってみました(^^)。ただ、あたるが著者の理想 の一部だとしたら、高い理想だなぁ(笑)。あ、でも、僕の世界だからって遠慮は 要りません。好きなだけいちゃもん付けたって下さい。まぁ、うる星なんて、また また今更なんですが。でも、どうぞ宜しく(遠慮ってーよりは、呆れられてたりし て)。 しかしまぁ、うる星やつらがこんなにシリアスだったなんて知りませんでした (笑)。 めぞんとの対応付けにもチャレンジしてるんですけどねー、ぜんっぜん 噛み合いません(笑)。めぞんは、五代の同棲騒ぎの辺り、うる星は、『愛と闘魂 のグローブ』以降辺りから、作風が少し変わるように感じたんですが、時間的には まっっったく関係ありませんでした(^_^;)。やっぱそう簡単にいく訳はないようで す。そもそも、僕の勝手なイメージで読んでるんだから、無理もないですが(笑)。