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#2039/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (XQJ28057) 95/ 2/ 9 23:49 ( 26) 感想>「迷走家族F」読みました Kim ★内容 いやあ、面白かったです。ほんとに。 暗いネタをカラッと軽く描く所に、高橋先生の作家としての円熟を感じます。 最初のいきなりトロフィーを壊すシーンなど、読者の興味の引き付け方は手慣れ たものですね。 主人公の女の子の視点がコロコロ変わるのが面白いですね。疑心暗鬼から必死 で親を止めようとしたり、些細な事であきらめたり、もっと些細な事で生への凄 い執着を見せたり。(笑) 作品全編に通じる「勘違いから相手に疑心暗鬼になる」という構造は、「死の 選択」そのものが大いなる勘違いという事を示しているのかと思います。「ちょ っと見方を変えれば問題はすぐ解決するのだから、死に急ぐな」というメッセー ジは、最近のいじめによる自殺について暗に語っているのかと、思いをめぐらせ てしまいます。ただ、じめじめとせず、あくまでサラッと軽く見せるところが流 石です。 なんというか、高橋先生の読み切り作品には根底に「人間賛歌」が感じられま す。社会や運命に振り回されて、どん底まで落ちたようでも、最後に希望が見え て、元の日常に戻れると言うパターンが多いようです。 な〜んて、こんな表面的な見方を書いてると飛鳥杏華さんに突っ込まれそうで すね。(笑) 僕は記号の意味を探りながら作品を読むと言う事はできないんで、 何かありそうでしたら教えて下さいね。(^_^) Kim