![]() |
#2184/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (VGJ14895) 95/ 5/28 2:55 ( 83) 感想>RE#2182 本文と本文に非ざるもの 雨宮 伊都 ★内容 《altjinさま》 貴方にRESさせていただくのはこのたびが初めてになりますが、ここるー みっくSIGに参上する以前よりお噂を伺っておりまして、ボードを覗くこと ができるようになってからは、実際に目のあたりかなった貴方のMSGの一種 名状しがたい凄さに圧倒感嘆させられておりました。−−まずご挨拶まで。 ……と、いいましても本当のところ非才に過ぎるこの身の悲しさ、内容に深 く踏みこみ、趣旨をかっちり把握できたわけでもなく、さして気の利いたこと など書けはせぬものなれば、おそらく貴方を失望させてしまう結果になりまし ょうけれど、願わくはどうぞ笑ってご容赦くださいますよう。 ただ、このたびの貴方の、「二人でお留守番」について述べられたMSGを 拝読しているうち、たまたま気がかりな、作品批評の文としてはいかにも看過 しがたい点を見いだしてしまったので、惧れながらひとつ指摘させていただき たく思った次第なのです。 私の覚えた引っかかりとは、 > 私の命式中の劫財(財を掠める、という意味)から破産が連想されたのか、 の件り、および > 「マネー女」と「コピーらんま」は連想的意味範囲において一致します。後 >の通商301条は確かスーパー301条とも呼ばれ、301は「3・さ」「0 >・無>む」「1・ワン」でやはりaltjinを指示しています。以上から、 >やはり2)の線で(もっぱら)読むべきことがわかります(ちなみに、私の古 >いハンドル名サムウィンの数値化は、「3・さ」「6・む」「9・ナイン」で >「369」です−−ついでに、「オサカナ」も古代教会ではキリストを示す象 >徴でした。もちろん、「369」だろうが「オサカナ」だろうが私は私です。 の件りにあります。 まず第一に挙げた件り−−「破産」とは、扉絵に付された煽り文句中の「破産 覚悟でいらっしゃい。」から引かれた言葉ですね。そして第二に挙げた件りの、 「マネー女」は二頁めの柱部分に印刷された惹句に、「通商301条」は最終頁 柱の煽りにある言葉です。 しかしながら、これらの言葉はいずれも本作品中では一切つかわれていません。 あくまでも煽りの文のなかの言葉に過ぎず、「煽り」とは普通、編集者の手によ ってつけられるものであり、普通「本文(テクスト)」のうちには入れるべきで はないのです。よって、とり扱いには厳しく注意すべきものではありますまいか (「マネー女」、「通商301条」に関しては私の記憶するかぎり、今回の物語 中のみならず、これまでなびきが登場したいかなる物語においても「作中の言葉」 「作者自身がなびきに関係するものとして用いた言葉」としては現れなかったは ず)。 確かに、雑誌掲載のさいの「煽り」といえども時には、作者自身の意図が反映 させられている(つまり編集者と作者との間で、それなりに示し合わせがなされ た上である)こともあり得ます。ですが、今回そうと確言できるような要素があ るでしょうか? 柱の文句=作者自身の意図かどうかおぼつかない場合、貴方の ように作者自身の思惑をはかるという性質の批評の上では、それが様々な判断、 一連の論説を導きだす根拠としてあまり有力な資料たりうるとは思えません。 #2182はこの点においてこそ、「引っかかり」をおぼえ容易には首肯しかねたの です。 以上が私の最も指摘したいことです。いかがお考えになるでしょう? ……もっとも、否定的なことのみ書いて終わりにしてしまうのもなんですので、 お役に立ちますかどうか怪しいものですが、もうひとつ倖いに気づいたことをつ け加えておきます。なびきのローマ字表記は“Nabiki”、つまり“N”が 頭字です。ヘブライ文字で“N”に相当する文字は「ヌン」(ラテンアルファベ ットによる表音はNun)、あいにくここにその字を示すことはできませんが、 −−確か形状からだったと思います、−−「魚」を意味するのです。 「ゴールデンドーン」系の魔術を学び実践しておいでの貴方でいらっしゃいま すから、このような知識は疾うに常識としていらっしゃるような気もし、また、 あるいはかつて既にこのボード上でこれに言及してらしたのを、私は見落として いるやもわかりません。その場合は無礼の段おわび申しあげます。 VGJ14895 雨宮 伊都 P.S.『封神演義』は私もすこし前に読みました。仙人といえども、殺戮を欲 するさがは抑えきれぬというところ、まこと興深く感じられたことです。編者 (および訳者)の違う別ヴァージョンも某社から出ていますけれど、講談社文庫 版になされたのは、私見を述べさせていただけば倖いにして賢明なご選択に思わ れます。 末尾ながら、お父上が倒れられたとのこと、くれぐれも大事に至らずすみます ようお祈り申しあげております(月並みな言葉しか出てこず済みません)。