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#1306/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (JUB08129) 94/ 1/ 9 20:26 ( 43) 感想>ビッグコミックオリジナル/専務の犬 パイハン ★内容 高橋留美子先生の読みきり作品「専務の犬」を読みましたので感想を。 この話の中に登場する大型犬、種類は知りませんがその名も「ゴージャス」。今 年が犬年と言う事で犬だと思いますが…きっかけは兎も角、犬が人間の力関係を見 て大将を決めてしまうというのをこうして物語に導入するのもいいですけどそれ以 上に素晴らしいと思ったのがマジックで眉毛を書かれてしまうと言う点でしょう か。これにより「ゴージャス」の人間味が増して大将と決めた人間になつくという 行為がとても印象強くなり、時には人を見下しているかのようにも見えます。物語 の最後に「ゴージャス」を小暮家で引き取った後でも眉毛が描かれているのが笑え ますね。 この物語のテーマは家庭で片身の狭いお父さんの救済(?)にもに思えますが 「ゴージャス」が祭田専務→小暮夫人→カンナ→祭田夫人→小暮父さん…と子供を 除いた主要キャラクター全てにひと通りなついている事を考えると単純にお父さん だけがテーマとも言いにくいものが有ると思いますね。 世の中には目立つ人と目立たない影の薄い人がいる…というかいるように他人か ら決めつけられるわけですがこの物語に出てくる小暮家のお父さんとそのお父さん にうり二つの娘由布子はまさにそういう存在ではなかったかと思います。しかし由 布子はカンナに化粧してもらって実の父でも見分けが付かないほど美しくなり、そ の父もこの物語の一件で自分の存在感と言うものを家族と大親友の祭田専務に印象 付けています。 これは影が薄い人でもやれば出来るとか言うレベルの話ではなく、その人の環境 がその人を印象付けているだけで環境さえ整えば誰だって大将になれるという風に 私は考えました。自分が影が薄い人と決めつけている他人は実は自分がそういう風 に仕立てているに過ぎないのではないか?「専務の犬」読んでそう言う事をしみじ みと考えさせられてしまいました。 という訳で「専務の犬」はなかなか考えさせられるGOODな一作であったと思 います。今月末に短編集「Pの悲劇」が発売されるということですが留美子先生の 短編は幾つか見のがしてしまったものが有るだけにとても楽しみです。 しかし…今回登場した小暮家は写ルンですの小暮課長と少しは関連性が有るのだ ろうか? ではまた。 JUB08129:パイハン