SIG るーみっくわーるど SIG るーみっくわーるど」は、漫画家 高橋留美子先生(るーみっくわーるど)の作品が好きな仲間が集まっているグループです。 るーみっく好きなメンバー間コミュニケーションのためのチャットや掲示板の提供、るーみっく系イラスト・小説・リンク集の公開などを行っています。 オフ会も不定期に開催されています。1992年6月にPC-VAN上で誕生した歴史あるグループです。
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投稿日時:1994/ 1/17 0:28 投稿者ID:CHM88424
#1350/3141 るーみっく☆わーるど
★タイトル (CHM88424)  94/ 1/17   0:28  ( 84)
BD大会>BDとストーカー   NIFTYより
★内容
【NIFTY-Serveより転載19】
>- FANPLN  MES( 4):るーみっくわーるど(8)高橋留美子の部屋          -
>00183/00183 PXH01472  にゃにゃ丸       BD大会>BDとストーカー
>( 4)   94/01/16 03:42


 どうも、にゃにゃ丸です。予告どおり、BDとアンドレイ・タルコフスキー監督の
『ストーカー』との関連性について、書きます。タイトルは次の通りです。

            BDと『ストーカー』:類似点を通して考えられる仮説

 『ストーカー』をご存じではない方もいらっしゃると思いますので、まず初めに、そ
の簡単な紹介とあらすじを書いておきます。

ストーカー(Stalker) 1979年・旧ソ連、モスフィルム製作
    監督・美術:アンドレイ・タルコフスキー
    原作・脚本:ストルガツキー兄弟
    ソフ・カラー&モノクローム / 160分
    日本公開:1981年10月
    あらすじ:宇宙人が現れたのか、それとも隕石の墜落の結果かはわからないが、
    <ゾーン>と呼ばれる謎めいた地帯が発生した。政府は事実調査の為、<ゾー
    ン>に軍隊を派遣したが、誰も帰ってこなかった。その後、<ゾーン>は危険
    地帯として隔離されたが、それでも、<ゾーン>に侵入する者があとを絶たな
    かった。彼らは皆、<ゾーン>のなかにあるという、どんな望みをもかなえる
    という部屋をめざしたのである。三人の男(<ゾーン>の案内人(ストーカー)、
    教授、作家)が、それぞれ別々の思惑をもってその<ゾーン>に侵入する。
    だが、<ゾーン>は巧妙な罠である。彼らは<ゾーン>によって試され、自分
    たちの心を直視することになるが...

 僕自身の感想から言えば、この本はSF映画の形式をとった、タルコフスキー自身
の『信仰告白』の映画ではないかと思っています。(それについては、ここでは詳し
い理由は述べません(^^;。本論とは関係ありませんので。)
 とにかく、この映画はBD公開の3年前に発表された映画であり、全編、押井監督
がよく描く“水、迷路のような廃虚、犬、魚、鳥”でいっぱいです。いずれにせよ、
かなり、BDと『ストーカー』は作風が似ています。それにこの映画を押井監督が見
ている上に、しかもかなり好きな映画であるということは、某雑誌の特集記事を見れ
ばあきらかであります。


(1)友引町=<ゾーン>説
 BDと『ストーカー』の関連性ということで、まずBDにおける友引町と『ストー
カー』における<ゾーン>の類似性について考えてみましょう。両作品中において、
友引町と<ゾーン>には、次のような共通点があります。すなわち、
    (1)物理的時間が静止している。
    (2)状態が時々刻々と変化する。
    (3)主要な登場人物以外の人間が誰一人として存在しない場所である。
    (4)共に廃虚である。
    (5)ある意味で、願望が現実化する場所である。
    (6)お互いアブナイ場所である。
 このような共通点をかんがみて、BDにおける友引町が<ゾーン>である可能性は
かなり高いのではないでしょうか?(^_^;)ゞ

(2)『白い帽子の少女』=『ストーカーの娘』説
 『ストーカー』のラストシーンで印象的なのは、ストーカーの娘が酒の入ったグラ
スを見つめると、そのグラスがすぅっと動く(サイコキネシスか?)というところで
しょう。このシーンは一応、<ゾーン>の中にあった<神の部屋>が実は、ストーカー
自身の家に移動していたことを象徴するシーンだと考えられます。実際、ラストシー
ンにおいては、ストーカーの娘が写っているシーンだけがカラー(一応、『ストー
カー』においては、<ゾーン>の外側の世界はモノクロで、<ゾーン>の内側はカ
ラーで撮影されている。)になっています。つまり、ラストにおいて、“ストーカー
の娘=神”という構造が成立するわけです。
 ところで、BDにおける『白い帽子の少女』。その正体はラムらしい(?)のです
が、彼女も不思議な存在です。彼女が初めて登場するのは、真夜中のチンドン屋の
シーン。次が、ボイコット貫徹の教室。そして、しのぶの風鈴屋さんのシーン。嫌わ
れ者のフランケンあたるに花を与えるシーン。最後が、あたるに現実に帰る方法を教
えるシーンです。どれも、押井流不条理世界に特徴的なシーンにおいて登場していま
す。
 作品中での描かれ方から言えば、『BDの白い帽子の少女』および『紅い眼鏡の紅
い少女』と『ストーカーの娘』の3人はみんなよく似ています。そうなると、押井作
品の少女たちはみんな、作品中において『神』と等しい存在、ということになります。
(オイオイ、ほんとかよ(^^;(笑))

(3)夢邪鬼=<ゾーン>の黒犬説
 上記の2つに比べれば、少々弱い仮説です。まぁ、共に『白い帽子の少女』や『ス
トーカーの娘』にまとわりついているあたりから、ひねくりだした説です。一応、夢
邪鬼がいるならば、その世界は実は『夢の世界』であると考えられるのと同じように、
黒犬がいる世界は、実は<ゾーン>の内側と考えることができるくらいの関連性ぐら
いしかありません(^^;)。


 ...以上3つほど、考えられる仮説を挙げてみました、でも、当たっているかどう
かは、押井監督の胸の内、というシメでは無責任??? (^_^;)ゞ

                        by にゃにゃ丸(PXH01472)
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