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#1398/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (QKM33822) 94/ 1/29 17:35 (119) 感想>Pの悲劇・他 SAMWYN ★内容 高橋留美子傑作集「Pの悲劇」買いました(^^)。普通の感想は他の方にお任 せするとして、さっそくSAMWYN流に読んでみたいと思います(^^;。 まず第1に気づくことは、全話女性が主人公であること、そのうえにその全 員が女らんまと同系列のイメージであることですね(^^)(「百年の恋」では看 護婦の小泉さんがそれです)。と言うわけで、ここではあえて発表年月日順に 読んでみます(^^;。 ☆浪漫の商人 主人公の縁、第1印象は「うる星やつらの渚にそっくり」でした。そして墓 参りで、私はどうやら彼女は響子でもあることに気づきました。そう思うとな るほど、最後のコマはどことなく一刻館の住人たちを思わせます(別当くんが 四谷氏、おっちゃんが一の瀬のおばさん、おばちゃんが朱美、ただし、この2 人はイメージがミックスされています。そう言えば、おばさんの「ぶすっ」っ てどっかで見たことが・・・と思ったら、渡辺多恵子先生のマンガ「ファミリ ー」に出て来るメイドのキャリーでした(^^;)。 以上から「浪漫会館=うる星やつら」であるらしいと私は想定しました。つ まり、めぞん一刻とうる星やつらの別の形で展開せざるを得なかったことを、 今1度うる星の舞台、少年サンデーで統合した形でやり直したい、それが「ら んま1/2」だったのです。 「赤字からゼロ」、通常の恋愛は「ゼロからプラス」ですが、ここではスタ ートを赤字、つまり「男であること」に置きます。そこから「ゼロ」を目指す のですから、彼は「ごく当たり前の普通の女」になることを目指すことになる のです。 なぜそうしたコースを選んだのか。けも先生は、「女を女としてではなく、 1人の人間として好きになって欲しかった」のではないでしょうか。あかねが あたるなのもそのためです。一般にあかねファンのほとんどはあかねの笑顔に ノックアウトされたのだと思われますが、あれは「あたるの優しさ」に対応す るものなのです。「あたるを友だちとして扱ってくれたように、あかねも男と か女とか言う前に、まず友だちとして好きになって欲しい」。それがらんま1 /2のもっとも中心にあるテーマであり、それゆえにらんま1/2以降のその 他の諸作品はすべて、らんま1/2を補強すべきものとして描かれた、私はそ う考えました。 ☆鉢の中 「もう言葉が通じない−−−」。ところが、そのらんま1/2はスタート当 初からこれまでにない誤解をされてしまった。何度絵やセリフに借りて一生懸 命説明しても、誰もわかってくれない。 このやつれた利根川さんが本当の響子です。なぜなら、夫の顔が惣一郎とま ったく同じ手法で「隠されて」いるからです。 ただ、「ウマが合わない」のは、私は少年誌を活動の場となされたけも先生 の宿命、と思いますけどネ(^^;(少女誌だったなら、おそらく誤解されること はほとんどなかったでしょう、きっと(^^))。なお、タイトルから私は「薮の 中」を連想しました。もっとも、私は芥川竜之介の原作も、黒沢明監督の「羅 生門」もどちらも見たことはないですが(^^;(あ、今度これもLDで買おうか な(^^)? う〜ん、でも、娯楽的でないのは今1つためらってしまふ(^^;)。 ☆Lサイズの幸福 こちらはタイトルは「1ポンドの福音」と同系ですね(^^)。どうやら、この 時期はけも先生はそれを「新めぞん」として、らんま1/2を乱馬×あかねの うる星的マンガにしようかどうか悩まれたのかも知れません。しかし、座敷童 がそれをことごとく邪魔します。座敷童で連想出来るものと言えばうる星のし のぶ、けも先生(申し訳ない(^^;)、あるいは小さなファンたちでしょうか。 いずれにしても、最初は邪魔だと思えたものが、結果的にはらんま1/2を救 ったらしいことが想定出来ます。座敷童は一見邪魔しているようですが、実は 「つまづきやすいとことか、教えてくれる」ありがたい存在であることに、そ うした発想にようやくけも先生は至られたのでしょう(^^)。 ☆Pの悲劇 今度はタイトルは上と正反対ですが、やはり同系です。そしてまた、ここで 描かれていることもやはり同系ですが、今度はおそらくファンの視点から描か れています。 集団の和をあえて犠牲にしても、なあなあにはせずに言うべきことを言うの は、実は本当の意味で動物を愛している人だから−−−。この動物を「作品」 あるいは「らんま1/2」と読み替えると意味がはっきりするでしょう。 今回この話がトップに置かれ、また作品集のタイトルともなっているのは、 これが今の状況へ対するけも先生の第1に言いたいMSGでもあるからです。 「Pet」「Public」これはいわば「針のない大時計」と「針のある 大時計」でもありますね(^^)。状況は「Pessimism(悲観)」的、し かし「空も星も風も光もみんなあなたたちのもの。私たちが与えるものじゃな い」、言葉のない動物はまた、幼い子供たちでもあります。私「たち」、これ はけも先生ばかりでなく、RAMをも含めて「たち」でしょう、きっと(^^;。 自分がそうした人たちとかまけていても、子供たちは誰がヒロインで誰がヒー ローかちゃんとわかってくれていた、そうして「Peace」が訪れます。 あるいは、これは「キャラは独自の生命と意志を持っていて、私やファンの 人がどうこう言って何かを強制させたりは出来ないんだ」とも受け取れますね (^^)(もちろん、文字通り受け取った上での「別な」読みですよ(^^;。私は、 この「空も星も・・・」の場面は、けも先生の諸作品の中でももっとも素晴ら しいものの1つだと感じました(^^)。この話がトップに来ているのはそのため でもあるでしょう(^^))。 なお、タイトルから私はてっきり「Pちゃん」絡みの話かと思ってしまいま した(^^;。でも、もっと何度も読めばそうした意味も浮き上がって来るかも知 れません(^^)。あ、あと、話そのものは「専務の犬」と近いものがあります( ちなみに、カンナは最初は「ラム」として登場しますが、途中から木暮さんの 娘(シャンプー)とイメージ交換してらんまになりますね(^^;。だから、木暮 夫人はやはりあかねであり、本作品集(女らんまを主とする)とは別系列の作 品になります(^^))。 ☆ポイの家 「うちはゴミ捨て場じゃありません」−−−。「夢」の島はゴミ(宝)で埋 め尽くされてしまって、自分(けも先生)の宝がどこにあるのか、もはや探し ようもない状態です。このままでは今の家(らんま1/2)もそうなってしま いかねない−−−「片づける人の身にもなってね。ママの言うことわかるでし ょ?」、どうやら、ようやくこの頃にけも先生は「らんまを女にする」ことを 決意なされたようですね、それで、そのための「片づけ」を開始します。 でも、平和(解決)はまだ先のこと、それまでは貼り紙を張り、それでもわ からない人は名指しで警告、けも先生のそうした行動はこの時期から開始され たようです。 ☆百年の恋 この話でようやく、私がこのSIGに来た時期に入りますね(^^;。だから、 この話には私のことが示唆されている可能性もあります(^^;。 ここで気づくのは、「以前と同じことが繰り返されようとしている、私は出 来る限り力になってそれを止め、その人を救わねばならない」というMSGが 表明されていることです。キーワードは「瓜2つ」、これはごく最近の「最後 の顔」とほとんど同系のイメージです。 どーでもいーですが、しかしこの小泉看護婦はほんとに女らんまにそっくり ですねェ#^^#。らんまもいつかはこんな素敵な女になれるのでしょうか(^^)? (でも、「崖っぷちプロポーズ大作戦」の小泉さんはひな子にそっくりですけ どネ(^^;。逆にそれであかねではないってことがわかるんですが(^^;) SAMWYN