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投稿日時:1994/ 2/ 8 15:19 投稿者ID:XGM38132
#1423/3141 るーみっく☆わーるど
★タイトル (XGM38132)  94/ 2/ 8  15:19  ( 48)
考察>#RE1420  原作での八神のポジション      by阿修羅
★内容
 まず最初にお礼とご挨拶を。飛鳥 杏華 さん、RESありがとうございます。それ
からNIFには最近行っていなかったので、せっかく返事を頂いたのにほったらかしみ
たいで、なんだこの無礼者! と思われたかも知れませんが、ご容赦下さい。なにせV
ANは固定料金制という強い味方がありますから。


 さて、原作の八神についてです。まず一つお聞きしたいのですが、飛鳥さんは、劇作
上の技巧を除いては、「弱虫」で八神は五代と響子を認めた、とお考えなんですか?
この辺の意見をお聞かせ願いたいのですが・・。では、本題に。


 飛鳥さんの意見は、あくまで、劇作上の技巧の上での部品としての意味で、八神の部
品としての”役割”を作者が意図して設定し、原作のような退場のさせ方をした、とい
う風に、僕は解釈したんですが、役目を終えて退場、ですか? うーん、これはちょっ
と納得できません。
 劇中に技巧を〈直接的〉に主要人物について、それもシリアスな場面に持ち込むこと
は、「めぞん一刻」においては行なうべきでない思います。「めぞん一刻」はラブロマ
ンスです。(一部を除いて)ラブコメディでもホームドラマでもありません。従って心
理描写が命です。それは主人公についてのみではありません。メインストーリー中のメ
インの人物に関しては、極端なことを言えば、同等のレベルまでの描写がされてこそ、
より主人公の人物像・立場がリアルになります。原作者がこの作品を描くにあたって、
自分の作品に対する実験的な意図を持っていないく、飛鳥さんの意見のように意図した
とすれば、八神の退場のさせ方は技巧に走りすぎた誤算ではないか、と僕は思います。
 確かに響子の立場を八神が引き継いだ、というのは、なるほどある種オカルト的(う
る星的?)神秘性がありますね。それはそれでいいと思います。でも、そこに「弱虫」
の後八神を物語から消す必要性も、消せる可能性もないと思います。「弱虫」以後に八
神が描かれても、それにはなんの影響もないでしょう。「めぞん一刻」においてはその
ような神秘性よりは、登場人物の像のリアルさの方が大切ではないでしょうか。(特に
この)物語、において、読者が人物の像以上に、その技巧的役割を感じてしまっては、
その技巧は失敗ではないかと思います。それはあくまで物語と人物のリアルさを増すた
めに使うものなんですから。
 もし、八神が五代と響子を認めたから「弱虫」以後出て来ないと言うなら、確かにあ
そこで去った、と考えてもいいと思います。ですが、それなら逆に、「弱虫」以前での
八神の心理描写が足りない気がします。つまり、あれだけの強い想いを押しとどまらせ
るだけの、心理的根拠が作中に描かれてないんです。「何もかもうそになりそうでこわ
い。」という響子の言葉に、響子の思いを感じたのだとしても、それ以前の八神の設定
からいけば、ただそれだけで納得出来るものではありません。読者にくみとれ、と言う
にしても、どう考えても三鷹やこずえに比べて、描かれるべき心理の相対密度(こずえ
はああいう性格なので当然量としては少ない)が薄いと思うんです。

 以上の文中で、僕の最も言いたいことを要約すれば、
 「八神が諦めたのか諦めてないのかがはっきりしていない。」
ってことです。八神に、「嫌いなんだ、はっきりしないのって」と言わせておきながら
、これは矛盾ではないでしょうか。それぞれの好みもありますし、あくまで私見ですが
。


                           by 阿修羅
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