SIG るーみっくわーるど SIG るーみっくわーるど」は、漫画家 高橋留美子先生(るーみっくわーるど)の作品が好きな仲間が集まっているグループです。 るーみっく好きなメンバー間コミュニケーションのためのチャットや掲示板の提供、るーみっく系イラスト・小説・リンク集の公開などを行っています。 オフ会も不定期に開催されています。1992年6月にPC-VAN上で誕生した歴史あるグループです。
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投稿日時:1994/ 3/ 6 22:54 投稿者ID:QFC98594
#1503/3141 るーみっく☆わーるど
★タイトル (QFC98594)  94/ 3/ 6  22:54  ( 48)
考察>主人公のいない世界     HR
★内容
*
*  SAMWYNさんの書き込みを読むにつれ、闘志がかき立てられ、「持論」が
* 頭をもたげてきます。「阿修羅神」とは戦争の神だからなのか、阿修羅さんに触
* 発されて、「実のところは、こうではないか。」と言いたくなります。
*
*  ヒーローが誰なのかが話題の焦点のようですので、ちょっとだけ書いてみましょ
* う。
*  在来の少年漫画は、多くでヒーローがいます。少女漫画はヒロインですね。恋
* 愛が絡むと、ヒーローとヒロインが並立します。邦訳すれば「男主人公」と「女
* 主人公」ですね。英語における「名詞の性別」ですが、和訳するとどこか妙です。
*  ヒーローもヒロインも、単純に訳すと「主人公」です。一人だけの主人公のは
* ずなのに、だが、なんで性別が生じるという理由で、二人になるのでしょう。
*  複数になるなら、そこでも別なる問いかけができます。人間の違いは、性別だ
* けではないはずです。性格の違い、年齢の違い、育ち方の違いで主人公が複数に
* なっても良いはずです。
*
*  漫画は、人間社会の一部分を題材に描かれる物語です。一人の人間を焦点に描
* けば、その人が主人公になります。しかしそれは、狭い物語世界です。
*  現実の人間社会では、それぞれが「自分が主人公だ」や「自分には主人公の資
* 格なんか無いな」と思って生きています。人間社会をより忠実に描こうとすれば、
* 一人一人を主人公であるかのように描く必要がありましょう。
*  一人だけが生き生きしていては、それはまるで専制国家です。まわりの登場人
* 物は、使い捨ての道具でしかありません。主人公は、つねに周囲を挑発し征服し
* 従属させねば、話は続きません。一人だけに焦点が当てられる話において、その
* 主人公がずっと虐められる漫画は、あまり聞きません。
*  よって、主人公は負けられないのです。負けられないということは、無理をし
* てでも勝たねばなりません。となると、「戦争犯罪」も起こります。心荒むよう
* な、人道に反する出来事もあるでしょう。
*  よって、一人だけに焦点を当てるのは、人道的に危ない賭けを続けることにな
* ります。平和共存すべき、軍縮の時代なのに…。
*  一人が物語の主人公ではありますが、実は他の登場人物も主人公に負けず劣ら
* ず活躍していなければならないのです。早乙女乱馬くんは「らんま1/2」の主
* 人公ですが、彼がかすむほどに他の登場人物がいます。よって、人道的にも安心
* できます。
*  個性の強烈な人ばかりを集めてはいますが、それが一つの社会となっています。
* 在来の漫画よりも、現実社会のより正確な縮図となっています。
*
*  また、早乙女乱馬くんは一人でヒーローとヒロインを兼ねる事ができます。
* 「愛し合う二人」という間柄にはなれませんが、従来の恋愛漫画で生じていた主
* 人公が二人いる矛盾した状況を解消できます。
*  よって「らんま1/2」は、「性別という点においてだけ、主人公は二人にな
* るのだろうか。」と「主人公が一人だけでも良いのだろうか。」という問いかけ
* を織り込んだ漫画になっていると思います。
*  連載のできる場を維持しながら、漫画表現の実験をされているのでしょうね。
* それは、私の見る限り「社会のミニチュアを実現すること」だと思うのです。
*
*                   QFC98594  HR
*
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