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#1503/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (QFC98594) 94/ 3/ 6 22:54 ( 48) 考察>主人公のいない世界 HR ★内容 * * SAMWYNさんの書き込みを読むにつれ、闘志がかき立てられ、「持論」が * 頭をもたげてきます。「阿修羅神」とは戦争の神だからなのか、阿修羅さんに触 * 発されて、「実のところは、こうではないか。」と言いたくなります。 * * ヒーローが誰なのかが話題の焦点のようですので、ちょっとだけ書いてみましょ * う。 * 在来の少年漫画は、多くでヒーローがいます。少女漫画はヒロインですね。恋 * 愛が絡むと、ヒーローとヒロインが並立します。邦訳すれば「男主人公」と「女 * 主人公」ですね。英語における「名詞の性別」ですが、和訳するとどこか妙です。 * ヒーローもヒロインも、単純に訳すと「主人公」です。一人だけの主人公のは * ずなのに、だが、なんで性別が生じるという理由で、二人になるのでしょう。 * 複数になるなら、そこでも別なる問いかけができます。人間の違いは、性別だ * けではないはずです。性格の違い、年齢の違い、育ち方の違いで主人公が複数に * なっても良いはずです。 * * 漫画は、人間社会の一部分を題材に描かれる物語です。一人の人間を焦点に描 * けば、その人が主人公になります。しかしそれは、狭い物語世界です。 * 現実の人間社会では、それぞれが「自分が主人公だ」や「自分には主人公の資 * 格なんか無いな」と思って生きています。人間社会をより忠実に描こうとすれば、 * 一人一人を主人公であるかのように描く必要がありましょう。 * 一人だけが生き生きしていては、それはまるで専制国家です。まわりの登場人 * 物は、使い捨ての道具でしかありません。主人公は、つねに周囲を挑発し征服し * 従属させねば、話は続きません。一人だけに焦点が当てられる話において、その * 主人公がずっと虐められる漫画は、あまり聞きません。 * よって、主人公は負けられないのです。負けられないということは、無理をし * てでも勝たねばなりません。となると、「戦争犯罪」も起こります。心荒むよう * な、人道に反する出来事もあるでしょう。 * よって、一人だけに焦点を当てるのは、人道的に危ない賭けを続けることにな * ります。平和共存すべき、軍縮の時代なのに…。 * 一人が物語の主人公ではありますが、実は他の登場人物も主人公に負けず劣ら * ず活躍していなければならないのです。早乙女乱馬くんは「らんま1/2」の主 * 人公ですが、彼がかすむほどに他の登場人物がいます。よって、人道的にも安心 * できます。 * 個性の強烈な人ばかりを集めてはいますが、それが一つの社会となっています。 * 在来の漫画よりも、現実社会のより正確な縮図となっています。 * * また、早乙女乱馬くんは一人でヒーローとヒロインを兼ねる事ができます。 * 「愛し合う二人」という間柄にはなれませんが、従来の恋愛漫画で生じていた主 * 人公が二人いる矛盾した状況を解消できます。 * よって「らんま1/2」は、「性別という点においてだけ、主人公は二人にな * るのだろうか。」と「主人公が一人だけでも良いのだろうか。」という問いかけ * を織り込んだ漫画になっていると思います。 * 連載のできる場を維持しながら、漫画表現の実験をされているのでしょうね。 * それは、私の見る限り「社会のミニチュアを実現すること」だと思うのです。 * * QFC98594 HR *