![]() |
#1669/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (YUD09175) 94/ 6/ 1 9: 7 (170) 考察>『らんま』のスパイラル構造・1 マッシャ・アッキーニ ★内容 ★ 話数による対応関係 この章では、似たようなモチーフを使ったシリーズ間の相互関係を実際に調べ ていきます。この作業の際、コウ一郎さんと高 將治さんの考察は非常に参考に なりました。お二人にお礼申し上げます(見てるかな?)。 お二人の考察を下敷きにした部分は、データなどの記載が無い部分は補完、ま た、改良案がある場合は修正しました。修正/追加の基準は、著者の話ぶりから そうじゃないかなと思ったとか、何より自分がそう思うといった程度ですので、 下表の責任は私にあります。コウ一郎さんと高さんへの質問は避けてください。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ※凡例 ・( a- b〜 c- d) a,c=単行本の巻数 b,d=目次順(PART.−) 29巻以降は掲載順通りに収録された場合のものとする ・ A,B,C… =m:n対応(m or n ≧1)のとき、上下の項と区別 する記号 ・()内 =簡単な根拠 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1.11,12巻および16〜18巻 私の説です。11,12巻は「貧力虚脱灸編」の直前に相当します。 (a)は他のグループと比べて関係が弱い感じなので、再検討が必要かもしれ ません。 (a)11,12巻 「良牙帰宅編」 (11ー 1〜11- 3) : 「良牙登場編」 ( 2- 2〜 2- 8) (長い旅から帰宅/良牙の家の話題・ペット・らんまとのカップリング) 「八宝大華輪編」 (11- 4〜11- 6) ? 「珊璞登場編」 ( 2- 9〜 4- 7) (早雲さんの「どんどろどろどろ」初登場)←ちょっと苦しい。 (補遺)このシリーズで八宝斉の字がヘタであることが分かる<楽太郎 あるいは「八宝斉登場編」 ( 7- 5〜 7-11) 「傀儡子編」 (11- 7〜11- 8) : 「指圧拳」〜 「猫拳編」 ( 4- 8〜 5- 5) (ともに珊璞絡みで操心系の術がでてくる) 「剛力ソバ編」 (11- 9〜11-11) : 「総身猫舌編」 ( 5- 6〜 6- 3) (乱馬圧倒される・珊璞再来日、引っ越しソバ) 「校長登場編」 (12- 1〜12- 6) ? 不明 校長の位置付けが難しいところです。学校を舞台とした話を拡張するのが目的 なのか、あるいは、 > 「こんな人がいたら周りは迷惑だろうな」という感じで発想します。それ > を極端にデフォルメしていくんです。底抜けに明るい性格であれば、それ > こそ頭にヤシの木がはえてるぐらい脳天気に明るい。漫画ですから、想像 > を絶するくらい極端でないと面白くないですし。 (『オフィシャル ガイドブック らんま1/2 爆裂乱闘篇』より引用) というけもさんの発言がヒントになるかもしれません。 「抗水セッケン編」(12- 7〜12-11) : 「爆砕点穴編」 ( 6- 4〜 6- 8) (ラブレター/果たし状) あるいは「即席男溺泉編」 ( 8- 1〜 8- 4) (呪泉郷通販グッズ) (補遺)良牙の「くっそ〜 なぜだ! さっきから同じ所を回っているような気が する!」というセリフは何を意味するのか? かなりあやふやな部分がありますが、11,12巻が大体 2- 2〜 8-11のあたりの 発展型となっていると考えられます。 (b)16〜18巻 A「即席男溺泉編」 ( 8- 1〜 8- 4) 「絶叫温泉編」 (16ー 1〜16- 7) : B「格闘演劇編」 ( 8- 5〜 8- 8) C「和風男溺泉編」 ( 8- 9〜 8-11) (体質改善の話・オールスター登場) (補遺)あかねの「クジ運」は「ムース逆襲編」 (10- 4〜10- 8) 類似の「競争」は「格闘出前編」 ( 7- 1〜 7- 4) 「格闘ディナー編」(16- 8〜17- 4) : 「クッキー編」 ( 9- 1〜 9- 4) (「食」が主題) (補遺)乱馬が男に戻れないのは「総身猫舌編」 ( 5- 6〜 6- 3) (手の速さの修行) 「許婚交代編」 (17- 5〜17-10) : A「右京登場編」 ( 9- 5〜 9-11) B「惚れ薬編」 (10- 1〜10- 3) (もう一人の許婚) 「パンスト太郎編」(18- 1〜18-11) : 「ムース逆襲編」 (10- 4〜10- 8) (変身体質絡みであかねさらわれる) (補遺)芝居をするのは「格闘演劇編」 ( 8- 5〜 8- 8) 16〜18巻では、比較的はっきりとした流れ( 8- 1〜10- 8)とともに、5,7巻あ たりとの対応も見られます。 加えて、(a)の最後と(b)の最初も対応しているようです。 「絶叫温泉編」 (16- 1〜16- 7) : 「抗水セッケン編」(12- 7〜12-11) (アスレチック・体質改善・温泉) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2.コウ一郎さんの説+α 14〜16巻 高 將治さんが20巻ラストから23巻までの対応関係を示唆してみせたのを受け て、コウ一郎さんが14巻PART.2以降についても螺旋構造に似た流れがあるのでは ないか、という仮説を立てられています。「どうして、乱馬はあんなにも勝負に こだわるのか」という疑問を糸口に、飛竜昇天破の螺旋の動きをこのシリーズ配 置に見立て、『らんま1/2』の大きな流れを追っていったものでした。 このログは一刻会電子ネットワークグループ本にも収録されているので、多く の方が読まれていることと思います。 「貧力虚脱灸編」 (13ー 1〜14- 1) ←ここが境になっている A「珊璞登場編」 ( 4- 4〜 4ー10) 「猫魔鈴編」 (14ー 2〜14ー 3) : B「猫拳編」 ( 5- 1〜 5ー 5) C「珊璞再来日編」 ( 5- 6〜 5-11) (乱馬の弱点としてのネコ・猫拳) 「スイマー特訓編」(14ー 4〜14- 5)A : 「総身猫舌・海編」( 6- 1〜 6- 3) (金槌・アオザメ/鮫拳) 「おもてに出やがれ!」 (14ー 6)B (乱馬、終始女性型) 「拳印編」 (14- 7〜14-10) : A「爆砕点穴編」 ( 6- 4〜 6- 8) B「ムーンライト ボンバー」 ( 7- 8 ) (果たし状・良牙パワーアップ、授けられた技/修行で得た技) 「満願丸編」 (15ー 1〜15- 3) : 「格闘出前編」 ( 7- 1〜 7- 4) (あかねとらんまを両天秤・九能・競争) (補遺)以後、九能はらんまとのデートを優先する 「サンタクロースの弟子」 (14-11 )A : 「八宝斉登場編」 ( 7ー 5〜 7-11) (下着ドロボー・銭湯・食い逃げ) 「博奕王K編」 (15- 4〜15- 7)B ? 「竜の髭編」 (15- 8〜15-11)C ? A「即席男溺泉編」 ( 8- 1〜 8- 4) 「絶叫温泉編」 (16- 1〜16- 7) : B「格闘演劇編」 ( 8- 5〜 8- 8) C「和風男溺泉編」 ( 8- 9〜 8-11) (1.と重複) ※“?”は、私が対応関係に疑問を示す部分(または保留) (コウ一郎説+α:『「らんま1/2」に潜む意味』を参考にしていますが、 かろうじて原形をとどめている程度です) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3.高 將治さんの説 19巻PART.10 #1645で示した、「恋の紙人形」で行われたことです。この話の五寸釘は、彼が 本来もっている性質(非存在性・演出能力など)を強調するために登場させられ た偽物(五寸釘’)であり、だからこそ通常と異なった形態(違和感を覚える服 装で登場・「わら人形」ならぬ「紙人形」を持つ)をとって現れたというのが高 さんの説だと理解しています(私が書くと帰納的になってしまうなぁ)。 > ではこの男は何をしたというのか。結論からいえば、そう、本物の五寸釘 > がこっそりとやっていたことを露骨に行ってみせたのだ。 ………(中略)……… > そう、これはこの話の前の話にでてきたモチーフでもあるのだ。これは > 『らんま1/2』の自己同一性を最も露骨な形で表しているのである。 > そして、そもそも冒頭でこの男が、本来の五寸釘ははじめから持ってい > た能力、すなわち人を操る能力を、与えられるシーンをわざわざ描いてい > る。 (『五寸釘万万歳』第1回より引用) 12枚の紙人形のうち本使用された6枚(「ころべ」は“ためし”であった) が示すのは呪い画の話(17-11)から主従丸(19ー11)の話までであることと、これが スパイラル構造のシミュレーション的な意味を含むことを考慮して、19巻および 17巻PART.11(前にも書きましたが、掲載順では19巻分の直前に当たります)は今 回の分類からは意図的に区別します。なお、これらのシリーズの関連性について は『五寸釘万万歳』の方に説明がありますので省略します(私もほぼ同意見です ので、念の為)。非一刻会員の方には申し訳ありませんが、今回の目的から外れ ますので。 「許婚交代編」 (17- 5〜19-11) から : 「恋の紙人形」 (19ー10 ) 「秘薬 主従丸」 ↑200回 (高 將治説:『五寸釘万万歳』第1〜3回より/#1645参照) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (『らんま』のスパイラル構造・2につづく) マッシャ・アッキーニ