SIG るーみっくわーるど SIG るーみっくわーるど」は、漫画家 高橋留美子先生(るーみっくわーるど)の作品が好きな仲間が集まっているグループです。 るーみっく好きなメンバー間コミュニケーションのためのチャットや掲示板の提供、るーみっく系イラスト・小説・リンク集の公開などを行っています。 オフ会も不定期に開催されています。1992年6月にPC-VAN上で誕生した歴史あるグループです。
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投稿日時:1994/ 6/ 1 9: 7 投稿者ID:YUD09175
#1669/3141 るーみっく☆わーるど
★タイトル (YUD09175)  94/ 6/ 1   9: 7  (170)
考察>『らんま』のスパイラル構造・1 マッシャ・アッキーニ
★内容

★ 話数による対応関係

 この章では、似たようなモチーフを使ったシリーズ間の相互関係を実際に調べ
ていきます。この作業の際、コウ一郎さんと高 將治さんの考察は非常に参考に
なりました。お二人にお礼申し上げます(見てるかな?)。
 お二人の考察を下敷きにした部分は、データなどの記載が無い部分は補完、ま
た、改良案がある場合は修正しました。修正/追加の基準は、著者の話ぶりから
そうじゃないかなと思ったとか、何より自分がそう思うといった程度ですので、
下表の責任は私にあります。コウ一郎さんと高さんへの質問は避けてください。
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 ※凡例 ・( a- b〜 c- d) a,c=単行本の巻数 b,d=目次順(PART.−)
       29巻以降は掲載順通りに収録された場合のものとする
     ・ A,B,C… =m:n対応(m or n ≧1)のとき、上下の項と区別
       する記号
     ・()内 =簡単な根拠
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1.11,12巻および16〜18巻

 私の説です。11,12巻は「貧力虚脱灸編」の直前に相当します。
 (a)は他のグループと比べて関係が弱い感じなので、再検討が必要かもしれ
ません。

(a)11,12巻
「良牙帰宅編」  (11ー 1〜11- 3) : 「良牙登場編」  ( 2- 2〜 2- 8)
 (長い旅から帰宅/良牙の家の話題・ペット・らんまとのカップリング)

「八宝大華輪編」 (11- 4〜11- 6) ? 「珊璞登場編」  ( 2- 9〜 4- 7)
       (早雲さんの「どんどろどろどろ」初登場)←ちょっと苦しい。
   (補遺)このシリーズで八宝斉の字がヘタであることが分かる<楽太郎
               あるいは「八宝斉登場編」 ( 7- 5〜 7-11)

「傀儡子編」   (11- 7〜11- 8) : 「指圧拳」〜
                   「猫拳編」    ( 4- 8〜 5- 5)
        (ともに珊璞絡みで操心系の術がでてくる)

「剛力ソバ編」  (11- 9〜11-11) : 「総身猫舌編」  ( 5- 6〜 6- 3)
       (乱馬圧倒される・珊璞再来日、引っ越しソバ)

「校長登場編」  (12- 1〜12- 6) ? 不明
 校長の位置付けが難しいところです。学校を舞台とした話を拡張するのが目的
なのか、あるいは、
 > 「こんな人がいたら周りは迷惑だろうな」という感じで発想します。それ
 > を極端にデフォルメしていくんです。底抜けに明るい性格であれば、それ
 > こそ頭にヤシの木がはえてるぐらい脳天気に明るい。漫画ですから、想像
 > を絶するくらい極端でないと面白くないですし。
  (『オフィシャル ガイドブック らんま1/2 爆裂乱闘篇』より引用)
 というけもさんの発言がヒントになるかもしれません。

「抗水セッケン編」(12- 7〜12-11) : 「爆砕点穴編」  ( 6- 4〜 6- 8)
           (ラブレター/果たし状)
               あるいは「即席男溺泉編」 ( 8- 1〜 8- 4)
            (呪泉郷通販グッズ)
(補遺)良牙の「くっそ〜 なぜだ! さっきから同じ所を回っているような気が
    する!」というセリフは何を意味するのか?

 かなりあやふやな部分がありますが、11,12巻が大体 2- 2〜 8-11のあたりの
発展型となっていると考えられます。

(b)16〜18巻
                   A「即席男溺泉編」 ( 8- 1〜 8- 4)
「絶叫温泉編」  (16ー 1〜16- 7) : B「格闘演劇編」  ( 8- 5〜 8- 8)
                   C「和風男溺泉編」 ( 8- 9〜 8-11)
         (体質改善の話・オールスター登場)
     (補遺)あかねの「クジ運」は「ムース逆襲編」 (10- 4〜10- 8)
           類似の「競争」は「格闘出前編」  ( 7- 1〜 7- 4)

「格闘ディナー編」(16- 8〜17- 4) : 「クッキー編」  ( 9- 1〜 9- 4)
                    (「食」が主題)
    (補遺)乱馬が男に戻れないのは「総身猫舌編」  ( 5- 6〜 6- 3)
             (手の速さの修行)

「許婚交代編」  (17- 5〜17-10) : A「右京登場編」  ( 9- 5〜 9-11)
                   B「惚れ薬編」   (10- 1〜10- 3)
             (もう一人の許婚)

「パンスト太郎編」(18- 1〜18-11) : 「ムース逆襲編」 (10- 4〜10- 8)
         (変身体質絡みであかねさらわれる)
        (補遺)芝居をするのは「格闘演劇編」  ( 8- 5〜 8- 8)

 16〜18巻では、比較的はっきりとした流れ( 8- 1〜10- 8)とともに、5,7巻あ
たりとの対応も見られます。


 加えて、(a)の最後と(b)の最初も対応しているようです。
「絶叫温泉編」  (16- 1〜16- 7) : 「抗水セッケン編」(12- 7〜12-11)
          (アスレチック・体質改善・温泉)

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2.コウ一郎さんの説+α 14〜16巻

 高 將治さんが20巻ラストから23巻までの対応関係を示唆してみせたのを受け
て、コウ一郎さんが14巻PART.2以降についても螺旋構造に似た流れがあるのでは
ないか、という仮説を立てられています。「どうして、乱馬はあんなにも勝負に
こだわるのか」という疑問を糸口に、飛竜昇天破の螺旋の動きをこのシリーズ配
置に見立て、『らんま1/2』の大きな流れを追っていったものでした。
 このログは一刻会電子ネットワークグループ本にも収録されているので、多く
の方が読まれていることと思います。

「貧力虚脱灸編」 (13ー 1〜14- 1) ←ここが境になっている

                   A「珊璞登場編」  ( 4- 4〜 4ー10)
「猫魔鈴編」   (14ー 2〜14ー 3) : B「猫拳編」    ( 5- 1〜 5ー 5)
                   C「珊璞再来日編」 ( 5- 6〜 5-11)
          (乱馬の弱点としてのネコ・猫拳)

「スイマー特訓編」(14ー 4〜14- 5)A : 「総身猫舌・海編」( 6- 1〜 6- 3)
           (金槌・アオザメ/鮫拳)
「おもてに出やがれ!」   (14ー 6)B
            (乱馬、終始女性型)

「拳印編」    (14- 7〜14-10) : A「爆砕点穴編」  ( 6- 4〜 6- 8)
                   B「ムーンライト ボンバー」 ( 7- 8       )
   (果たし状・良牙パワーアップ、授けられた技/修行で得た技)

「満願丸編」   (15ー 1〜15- 3) : 「格闘出前編」  ( 7- 1〜 7- 4)
        (あかねとらんまを両天秤・九能・競争)
            (補遺)以後、九能はらんまとのデートを優先する

「サンタクロースの弟子」 (14-11       )A : 「八宝斉登場編」 ( 7ー 5〜 7-11)
          (下着ドロボー・銭湯・食い逃げ)
「博奕王K編」  (15- 4〜15- 7)B ?
「竜の髭編」   (15- 8〜15-11)C ?
                   A「即席男溺泉編」 ( 8- 1〜 8- 4)
「絶叫温泉編」  (16- 1〜16- 7) : B「格闘演劇編」  ( 8- 5〜 8- 8)
                   C「和風男溺泉編」 ( 8- 9〜 8-11)
              (1.と重複)

 ※“?”は、私が対応関係に疑問を示す部分(または保留)

(コウ一郎説+α:『「らんま1/2」に潜む意味』を参考にしていますが、
 かろうじて原形をとどめている程度です)

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3.高 將治さんの説 19巻PART.10

 #1645で示した、「恋の紙人形」で行われたことです。この話の五寸釘は、彼が
本来もっている性質(非存在性・演出能力など)を強調するために登場させられ
た偽物(五寸釘’)であり、だからこそ通常と異なった形態(違和感を覚える服
装で登場・「わら人形」ならぬ「紙人形」を持つ)をとって現れたというのが高
さんの説だと理解しています(私が書くと帰納的になってしまうなぁ)。

 > ではこの男は何をしたというのか。結論からいえば、そう、本物の五寸釘
 > がこっそりとやっていたことを露骨に行ってみせたのだ。
             ………(中略)………
 > そう、これはこの話の前の話にでてきたモチーフでもあるのだ。これは
 > 『らんま1/2』の自己同一性を最も露骨な形で表しているのである。
 >  そして、そもそも冒頭でこの男が、本来の五寸釘ははじめから持ってい
 > た能力、すなわち人を操る能力を、与えられるシーンをわざわざ描いてい
 > る。             (『五寸釘万万歳』第1回より引用)

 12枚の紙人形のうち本使用された6枚(「ころべ」は“ためし”であった)
が示すのは呪い画の話(17-11)から主従丸(19ー11)の話までであることと、これが
スパイラル構造のシミュレーション的な意味を含むことを考慮して、19巻および
17巻PART.11(前にも書きましたが、掲載順では19巻分の直前に当たります)は今
回の分類からは意図的に区別します。なお、これらのシリーズの関連性について
は『五寸釘万万歳』の方に説明がありますので省略します(私もほぼ同意見です
ので、念の為)。非一刻会員の方には申し訳ありませんが、今回の目的から外れ
ますので。

「許婚交代編」  (17- 5〜19-11)
   から            : 「恋の紙人形」  (19ー10       )
「秘薬 主従丸」             ↑200回

       (高 將治説:『五寸釘万万歳』第1〜3回より/#1645参照)

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              (『らんま』のスパイラル構造・2につづく)

                         マッシャ・アッキーニ
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