SIG るーみっくわーるど SIG るーみっくわーるど」は、漫画家 高橋留美子先生(るーみっくわーるど)の作品が好きな仲間が集まっているグループです。 るーみっく好きなメンバー間コミュニケーションのためのチャットや掲示板の提供、るーみっく系イラスト・小説・リンク集の公開などを行っています。 オフ会も不定期に開催されています。1992年6月にPC-VAN上で誕生した歴史あるグループです。
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投稿日時:1994/12/16 23:26 投稿者ID:QEG72756
#1987/3141 るーみっく☆わーるど
★タイトル (QEG72756)  94/12/16  23:26  ( 63)
感想>うーむ、一見あっさり、よく見りゃ濃厚   飛鳥 杏華
★内容

 今週の「らんま」ですが、最初一読したところでは、なんかあっさり終っちゃっ
たなと、ちょっと拍子抜けしたように思われたんですが、よくよく読み返してみる
と結構いろいろ奥深いものがあるように思えてきました。

 結局、珊璞と沐絲については「決定的」と言えるものは出てきませんでしたが、
私はしっかり進展したと見ています。でも、珊璞は本当に一筋縄では行きませんね
ぇ。沐絲に対する気持ちが実際のところどうなっているのか、読者にさえほとんど
見せません。

 それでも、今回、この二人が進展したと見たのは、珊璞が編みかけのマフラーを
沐絲の首にかけ、沐絲が正気に戻ったのを見届けたところで、地蔵が「恩返しは完
了したぞよ。」と言っている点に端を発しています。

 つまり、地蔵の本当の恩返しの行き着くところは、珊璞になって沐絲とデートす
ることそのものではなく、本物の珊璞と沐絲をより接近させるさせることだったん
じゃないかということです。(その過程で沐絲が鍛えられ、乱馬に勝つ可能性が芽
生えたことも含めてですね。)

 しかし、このシーン…。事実だけを述べれば、乱馬に渡すために編みかけていた
マフラーを、しょーがないから沐絲の首に巻いてやっただけとも言えます。(少な
くとも、ラストの珊璞の態度はそう言っていますね。)

 でも、あの場に編みかけのマフラーを持って行ったのはなぜか? 出前途中に編
むなんて器用なことは、いくら珊璞でもできないでしょうし、まだ編みあけですか
ら、乱馬に渡すために持ってきたとは考えられません。(実際、あの場に乱馬がい
たことに「偶然あるな。」と言ってますしね。)

 となると、編みはじめたのは確かに乱馬に渡すつもりからだったけれども、あの
場に持ってきたのは、沐絲を正気に戻す最終手段として使用する可能性を考えての
ことだったと見ることができます。

 珊璞は、あかねのかけた電話で出前に来たわけですが、「こんな夜中に非常識な
客あるな。」なんてとぼけたこと言いながら、実は全部わかっていたのでしょう。
だいたい、閉店後なんだから注文断われば済むことだし、場所の指定も見え見えで
すからね。

 そう考えてくると、最初に沐絲がやつれ出した原因については、地蔵の存在を知
るまでは知らなかったようですが、それ以降というのは、珊璞はすべてわかってて
放っておいたんじゃないかという見方もできてきます。乱馬やあかねがせきたてて
も、のほほんとテレビ見たり寝たりしていたのも、そんなにあわてる状況ではない
ことがわかっていたからではないか?

 つまり、沐絲のすべてが珊璞の手のひらの中ににぎられていた。珊璞は、沐絲の
ことについて、ほとんど何から何まで把握している。それだけ、沐絲は珊璞の中に
根づいた存在になってきているんじゃないかということです。

 珊璞はそれをほとんど表に出さず、沐絲に対してはとことん冷たいわけですが、
ちょうど同じ号の「GS美神 極楽大作戦!!」を読んでいて、似てるなと思いま
した。珊璞と沐絲の関係と美神さんと横島くんの関係が…。ですから、もし珊璞の
目の前で沐絲が死ぬようなことがあれば、あの珊璞も切れるんじゃないかと、ふと
思ったりしました…。

 そう読んでくると、一見、変わりばえのしない2人の関係ですが、実は見えない
ところでかなり接近した(すでにして来ていた)と見ることができるなと感じたわ
けです。

 今回の決着のかたちは、表面だけを見ると珊璞がマフラーかけただけで終ってし
まって、なんか拍子抜け的に見えるんですが、この行為の持つ意味っていうのが、
実に濃厚に描かれていたなと感嘆しました。


                    QEG72756   飛鳥 杏華
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