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#2271/3141 るーみっく☆わーるど ★タイトル (QFC98594) 95/ 7/19 3: 6 ( 16) お茶>秋風に吹かれて HR ★内容 * * 七月の半ばだと言うのに、日本海側の高気圧から吹き出す、乾いた冷気によっ * て、九月のような涼しさだった。 * 宵に一眠りしたので、夜半に目覚める。懸案となっている作業に手を付ける気 * にならず、深夜の戸外にゆく。店舗も大半が閉まり、町は眠りについている。 * 外を歩く人はいない。それに、夏が過ぎ去った頃のような涼しさ。寂しさを感 * じさせる演出に、ひとりっきりであることを満喫する。 * 旅に出たり、アルバイトで働いていたのは、多くがこんな暑さの過ぎ去った夜 * だった。過去に歩いた、今とは違う場所と時間に居た自分を思いを巡らす。 * そうして、自分を見つめ直す。どこに向かって歩いていて、たどり着くために * 何をしただろう。自分は一体、迷子なのかそうでないのか。 * 下弦の半月を見つめても、答えは分からない。どこに向かうにしても、道のり * を知らなくとも、歩き続けるしかないのだ。 * * QFC98594 HR *