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投稿日時:1996/ 2/24 0:16 投稿者ID:QEG72756
#2409/3141 るーみっく☆わーるど
★タイトル (QEG72756)  96/ 2/24   0:16  ( 96)
らんま>闘いは無駄ではなかった…。     飛鳥 杏華
★内容

 19日から彦根に出張していた私は、その瞬間を米原からの新幹線の車内で迎え
ました。激情に襲われることはなかったけれど、ほわーっとした放心状態とじわー
っとくる言葉にできない何かに包まれて、東京までサンデーを握りしめたままでし
た。

 かつての「うる星やつら」のときは、自分があまり作品に深くかかわっていなく
て、「めぞん」にはすでにハマっていたけど、あくまで当時の私にとっては同じ作
家が書いている作品でしかありませんでしたから、特に感じるところもありません
でした。(「めぞん」より先に終わらせちゃっていいんかいな? という程度の気
持ちでした。(^_^;))

 が、「らんま」の場合、連載開始からずっとつきあってきて、途中からは完全に
のめり込んできただけに感慨もひとしおで、こういう気持ちってやっぱりその当時
の作品に対する思い入れの度合いに比例するんだなといまさらのように感じた次第
です。

 最終回で印象的だったのは、ずっと断水していた鳳凰山に水が出たときの紀瑪た
ちの言葉です。(私って、やっぱり読み方が変かな? 笑) 「闘いは無駄ではな
かったのですね…」「犠牲も多うございましたが…」というやりとり…。「らんま」
という作品自体がある意味で闘いの歴史そのものであったことを思うと、胸にくる
ものがありました。(何との闘いだったかは、もはやあえて語るまい…。(^_^;))

 そう考えると、ずっと断水していた鳳凰山に再び水が戻ったというのは意味深だ
と思います。水源とか枯渇ということになると、「真之介編」の生命の水とも共通
しますが、再び水を得たという図式は、作者の方にあてはめても、読者の方にあて
はめても喜ばしいことを示唆するものであって、作品を通して闘ってきたことが決
して無駄ではなかったと受け取れる言葉は、こうした考察的な読み方をしてきた私
などには、特に響いてくるものでした。

 それとやっぱり祝言かな…。ここでも、私個人に響いてくるものがいくつかあり
ました。1994年の1月に描いた私の同人パロ漫画に「久遠の商人」というのが
ありまして、右京を中心に据えたモノローグ的作品だったのですが、この作品のシ
チュエーションが、乱馬とあかねの披露宴からの帰り道というものでした。

 冒頭には右京の回想シーンとして、タキシード姿の乱馬とウェディングドレス姿
のあかねを描いたのですが、本家の最終シリーズの冒頭ではあかねの白無垢姿が登
場して、「やっぱりあかねの場合、和装なのかな…。失敗したかな。」なんて思っ
ていたんです。(^_^;)

 でも、祝言では(本当の祝言にはならなかったけど)ドレスでした。なんかそれ
を見たとたん、ものすごくうれしくて…、非常に個人的な妄想の範疇でしかないの
ですが、ここに書きたくてたまらなくなってしまいました。(笑)

 それにつづく右京のお好み焼きを焼いているときの態度や珊璞の一見割り切った
ような笑顔も非常に「久遠の商人」の中の2人とダブるものを感じたのです。「右
京さま、いじらしい…」と涙をこぼす小夏の役も、「久遠の商人」の中では紅つば
さが演じていました。(まだ、小夏の登場前でしたからね。)

 以前にも「久遠の商人」が発表されて2カ月後くらいに掲載された「呪いのヘラ」
で「ノリを忘れては、いかん。」という台詞が出てきました。

 表向きには「海苔」と「糊」を掛け合わせたものでしたが、「久遠の商人」がほ
ぼ全編に渡って右京のモノローグで構成されていてノリに欠ける作品だったことか
ら、ここには暗に「乗り」の意味も込められていて、「漫画を描くなら、ノリを忘
れてはいかん。」とアドバイスしてくれたのではないかという気持ちになって、非
常にうれしく感じたものでした。

 でも、きっとあれも偶然の産物で、自分の妄想に過ぎないだろうと思ってきたの
ですが、こうイメージがダブるものが出てくると、またその気になってしまいそう
です。(笑)

 しかし、それもそこまで…。最後にはしてやられました。(笑) 2人ともその
程度で往生するようなタマじゃないよとばかりにやらかしてくれましたね。う〜ん、
確かに私の読みが甘かったなと…。(笑)

 終わり方は、ある程度予想はしていましたが、どちらかといえば「うる星型」で
した。今度はきっちり決着つけて欲しいと望む声もありましたが、私は正直なとこ
ろどっちでもいいと思ってました。(案外いい加減だな…。笑)

 特にきっちりとしたカップリングの決着もなしに終わってしまって、ちょっと拍
子抜けという気がしないでもありませんでしたが、ただ、いま読み終わってみて改
めて考えてみると、この終わり方でよかったと非常にうれしく思っています。

 なぜ、うれしいのかというと、先程挙げた「久遠の商人」や、そのあとに執筆し
た「Pちゃんの悲劇」といった自分のパロディ作品の設定や結末に反するものがほ
とんど描かれないまま終わったからなんです。

 カップリングにしても、あかねに対する「良牙=Pちゃん」という秘密(結構、
多用させてもらってる。)も、あかねの花嫁衣裳も…。右京と珊璞だって、本当の
祝言のときにはどうなってるかわからないし…。(笑)

 意識的に配慮してくれたなんて考えるのはそれこそ妄想でしょうけど、結果とし
て「同人にやさしいラスト」だったなと…。これなら、連載が終わってからもいく
らでもパロディが描ける…。基本的な設定はほとんど変わらないまま終わったんで
すからね。

 ですから、ここから先の延長戦は読者の側が作って行くんでしょうね、きっと…。
たとえ、あくまで結果であったとしても、こういう終わり方をしてくださったこと
に感謝しつつ、私もまた自分の中の「らんま」の世界を描いて行くだろうと思いま
す。(もちろん、新作が出たらそっちもね。笑)

 そして、最後にやっぱり「けもさん、ありがとう。また、新しい夢を見せてくだ
さい。」と…。

                    QEG72756   飛鳥 杏華
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